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ストップ狩りと最良執行の開示

2010年03月02日(火)

 2月7日の日経新聞サンデー版にストップ狩りの記事が出ていたが、これが結構波紋を呼んでいるようである。事実であれば由々しき事態だということなのだが、実際にどの業者がどういう風にそれをやっているかについての具体的な情報は特に出ていないようである。たぶん掲示板あたりにはいろいろ書かれているのだろう。では、今回はストップ狩りとそれに関連して、最良執行の開示について考えてみたい。

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 本件にかんがみ、業者が顧客の注文板情報をみることがよくないという議論もあり、見ないように(自主)規制する方法はないかというような話も出ているようである。しかし、これはどちらかというと議論が違う方向に向かっているのではないかと個人的には思っている。なぜなら、まず多少の非難を覚悟で原則論を言えばだが、本来ストップ狩りなる行為はされた側も気づくものであり、それがいやならその業者を速やかに出る権利が顧客にはある。たとえば、うまいと思ったラーメン屋がまずかったら二度と行かないということと同じである。一回だけはそれは仕方がない。経験値を得るための代償というのはなんにでもある。顧客側がそういう行動を起こすことで、業者側も顧客が減り結果悪い業者は消えていく(まずいラーメン屋はつぶれる)というのが市場の原理原則のはずである。

 次に、もうすこし事情を斟酌して、されていることに気がつかない人もいるのだから(ラーメンの例のように見分けが簡単ではない!)何らかの規制や監視は必要ではないかという立場からみてであるが、この場合一番効果的なのは業者に対して「最良執行方針」の開示を義務化することだと思う。まず、業者がどうやってプライスをつくるのか、そしてどうやって約定を決定しているのかが開示されて、そのルール(何が正しく何が不正か)が確定することになり、その自ら課したルールを逸脱していないかどうかの検査や監視が協会、SEC、FSAによって行われるのが一番いいのではないか。そうすれば、業者が顧客の指値注文を見られないようにできないかといったそもそも無茶な議論も不要となる。

 以前にも触れているが、この辺は欧州の金融市場指令(MiFID)のつくりを取り入れるのが一番いいのではないかと思う。指令の21条で、最良執行の定義が述べられ(これは欧州EU全体のいわば金融業界用の憲法みたいなもの)これに基づいて各国がレベル1,2,3,4と段階的に細かく自国にあった形で規制を設けている。

まず、業者はどういうルールでプライスを作り、それが市場全体からみて最良であるプライスとなっているかの客観的判断、評価が求められる。そして、約定におけるシステム上の振る舞いについての条件が開示されていることが大切となる。一旦開示した自社ルールにもとづいて実際のデータをもとにそれがどれくらい実現されているかというような報告を業者は定期的に規制当局や協会に報告する義務を負う。

こうしたモニタリングが実現すれば、業者がたとえ客の注文情報を見られたとしても、プライス自体を業者に有利になるように意図的に実勢相場からはずれた水準に操作すると「最良のプライス」という概念から外れるため当局はなんらかの圧力をその業者にかけることができる。

そろそろ規制当局を含めて業界本格的にこの「実質的に効力を持つ最良執行方針の開示義務とその実際運用の報告と監視」というテーマを議論してもいい時期かもしれない。こうした規律(規制というよりは規律として)に耐えられない業者を業界から排除してゆくことで本質的にFX業界は「透明」になると思っている。

業界で一本化されない業者独自のルールにかかる部分(これはなくならないほうが産業の発展、進化という点ではいい)は、すべて開示することが基本であり、開示と報告義務を負う以上おかしなことはできないという単純な話である。




Posted by 尾関高

プロフィール

尾関高

尾関高

1986年名古屋大学経済学部卒業。1988年サンダーバード経営大学院(アリゾナ州、米国)卒業。主に日短エクスコにて約9年間、インターバンクの通貨オプションブローカーを経験し、1998年からひまわり証券(旧ダイワフューチャーズ)にて日本で最初に外国為替証拠金取引をシステム開発から立ち上げ、さらに、2006年5月に、これも日本で最初にCFDを開始した。
その後米国FX業者でのニューヨーク駐在や、帰国後日本のシステム会社勤務等をへて、現在は、日本の金融システム会社勤務。そのかたわら、本業のみならず、FXや新たな金融市場にかかわるさまざまな分野においても積極的に意見具申中。
拙著に、「マージンFX」(同友館、2001年2月)と「入門外国為替証拠金取引〜取引の仕組みからトラブル防止まで〜」(同友館、2004年6月)、また訳書「CFD完全ガイド」(同友館、2010年2月、著者:デイビッドノーマン)がある。

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