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紹介と勧誘とその先に見えるもの〜外務員登録の価値の希薄化〜

2013年02月06日(水)

広告看板の場合、使用料は一年いくらとかで、誰が何回それを見たかは把握できない。しかしネットになると、いろいろな計測が可能になり、広告の効果が測定できるためそれに応じたサービスチャージが生まれてくる。たとえば、

 1)広告スペース一か月あたりいくら
 2)そのバナーをクリックしたらいくら
 3)クリックした客がその先で口座をひらいたらいくら
 4)口座をひらいて入金したらいくら
 5)入金して取引をしたらいくら
 6)取引ごとにいくら

というように細かく効果を測定できるので、1)からだんだんと6)へとより高い収益を求めて遡上してゆく。それが可能になるとより高い動機が働き、さらにブロガー自身のウェブのコンテンツの質を高めてより質の高い客を集客しようと努力する。また、そうしたブロガーを束ねるウェブ広告代理店もより質の高いブロガーを発見育成するための努力をするようになる。

広告バナーというのは置いておくだけであとはその広告主の仕事になるので手間はかからない。そうした広告バナーを貼りたい人たちのサイトをより多く束ね、クッキーを利用してよりユーザーの興味のある広告を表示する技術も確立している。Googleでもどこでも自分のブログページを作ると大体そういう仕掛けがついてくる。うまくいったらあなたも小遣い稼ぎ!みたいなキャッチでせっせせっせとブログを立ち上げるようにもってくる。ほとんどの場合自分のブログがどういうバナーをユーザーに対して見せているかなど気にしないがときどき変なのも出たりする。こういう広告を載せている人は紹介をしているだけで、本人に勧誘をしているという意識はあまりないように思われる。

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一方勧誘とは何か考えてみよう。今は不招請勧誘の禁止があるので、相手からメールを送っていいよとか電話していいよと意思表示がない限りそういう趣旨ではコンタクトできない。上記の例の場合、クリックしてきたというのは相手が紹介に応じた、という現象である。勧誘ではない。勧誘となるのは、そうした相手にこちらから「いい商品がありますがご興味ないですか」という主旨の行為を行うことだと考える。あるいは売買の勧誘もありうる。ただし、勧誘行為において、FXは金先業者による外務員登録をしている人しかすることができない。証券は証券で証券外務員登録している人しかできない。外務員登録をするのは業者しかできないから、結果その人はどこかの登録証券会社か先物業者に属していなくてはならない。一個人で、資格もなく、ましてや登録もしていない人は勧誘行為を合法的に行うことはできない。

しかしながら、上記の報酬体系の1)から6)までが全部「紹介」という概念で手に入るのなら(*)、あえて登録して勧誘行為を行うインセンティブはない。紹介で十分である。つまり外務員資格にさほどの価値がなくなったということになる。あくまでも対面で、顧客とともに相場を考え、売り買いを判断し、客の同意を得ながら客の資産形成に資するべく、相場と立ち向かう、などという立場の人はほとんど社会的に不要になりつつある。

如何に取引コストを下げるかに血道を上げた過去10年、取引の魅力を客と語り、取引そのものの価値を伝える伝道師たちはこの世から消えていく。結果、取引コストは安いが、そもそもそれを取引する魅力はどこだ、という質問に答えてくれる人は育たなくなる。扱う人たちの商品知識レベルは下がっていく。経験値も下がっていく。そして、金融産業の魅力そのものが低下し、それは一部のプロの中だけでしか残らない価値観になってしまう。そうなると市場自体が先細り、業界自身が市場の縮小に悩み始めることになる。投資家が集う掲示板で語られる中身を見ても、ところどころに勘違いがあったりするが、それを正す人もいない。公共とはいえ匿名の場において、真面目な誤解の指摘をする人がいたらそれは奇特な人である。

 外務員登録はかくしてあまり意味がなくなりつつある。少なくともネットだけでやることを考えるなら現在のところ不要と言っていい状態が続いている。実際にそれが必要な人は電話で誦帳業務をする人だが、そういうサービスもやらないところは多い。一応おいていてもその主業務はシステムについての質問に答えることのほうがはるかに多いのではないだろうか。実際に電話で発注するとしたらそれはシステム障害があった時ぐらいである。かくして昨今、ルールの見直しは思ったより急務ではないのだろうかと感じている。

さて、魅力がないから市場が低迷するのか、低迷するから魅力がないのか。日経は2万円以上でないと魅力は出ないものなのか、為替はドル円100円以上でないと魅力がでないものなのか。それは単なる我々セルサイドの言い訳なのか。デフレじゃ金融は儲からない。それは正論。だからといって誰も会社の赤字を埋めてはくれない。淘汰の波にのまれるか、逃げられるか、経営者の大胆なかじ取りが生死を分ける大事になってくるように思うが、少なくともそれはこれ以上の手数料競争ではないのではないだろうか。

* 私が調べた限りにおいて、アフィリエイトが1から6までのどの方法で報酬を得るかということは、紹介か勧誘かの区別には関係がなく、商品や取引を意図的に勧誘している事実、また接触するためにその顧客の個人情報を持っているかどうかなどが判断材料になるように思われる。客観的に捕捉できるのは後者で、顧客の個人情報をもったら業者としての登録や外務員登録が必要になると考えている。逆の言い方をすれば、あくまでも登録等を必要としない紹介者であり続けるためには、一切の顧客情報をもたないことが必要であり、クリックした顧客にアフィリエイトとしてコンタクトしないことである。以上は私個人の認識であるが、おおむね正しいと考えている。しかし、実際どう判断されるかはむしろ私が知りたいところであり、具体的反証事例があれば教えていただけると幸いである。



Posted by 尾関高

プロフィール

尾関高

尾関高

1986年名古屋大学経済学部卒業。1988年サンダーバード経営大学院(アリゾナ州、米国)卒業。主に日短エクスコにて約9年間、インターバンクの通貨オプションブローカーを経験し、1998年からひまわり証券(旧ダイワフューチャーズ)にて日本で最初に外国為替証拠金取引をシステム開発から立ち上げ、さらに、2006年5月に、これも日本で最初にCFDを開始した。
その後米国FX業者でのニューヨーク駐在や、帰国後日本のシステム会社勤務等をへて、現在は、日本の金融システム会社勤務。そのかたわら、本業のみならず、FXや新たな金融市場にかかわるさまざまな分野においても積極的に意見具申中。
拙著に、「マージンFX」(同友館、2001年2月)と「入門外国為替証拠金取引〜取引の仕組みからトラブル防止まで〜」(同友館、2004年6月)、また訳書「CFD完全ガイド」(同友館、2010年2月、著者:デイビッドノーマン)がある。

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