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FXダイアリー

[第233回] 後報 FXCM barring

2017年03月22日(水)

まず訂正をさせていただきます。前々回、231回にてカバーをしていた子会社をLucidと書きましたがどうやらEffexの間違いでした。ここにお詫びと訂正をさせていただきます。

どういう文脈でこのEffexが出てきたかをおさらいする。NDDを標ぼうするFXCMのカバー取引の50%から80%ぐらいは意図的にEffexに投げられていた。Effexからその利益の約70%がFXCMに還流していた。EffexはFXCMからくるカバー注文に対して、結果通知をしばし遅らせることで(下記リンクの記事では“Hold Timer”と紹介されている)、その間にEffexがカバーできるレートとFXCMの客の注文価格との差を計算してEffexにとって有利なら約定を返し、不利なら拒否を返すというカバーロジックを回していた。つまり客に対する後出しじゃんけんであり、不告知な利益相反関係である。記事を読む限り私の理解はこんな感じなのだが原文記事とはこれである。

▼ALERT: Largest US Forex Broker FXCM Shut Down and Permanently Banned from NFA

この記事自体若干ふざけ気味でどこまで信頼できるかは不明だが、主観的に語られている部分を除けば事実関係部分は間違いないだろうということで情報として使っている。

ではこのロジックの何がいけないのかだが、カバー先であるEffexがFXCMの客の注文条件を知っているという点。EffexがFXCMの子会社だからできてしまうが、それはホームページで、あるいはNFAに対して開示しているNDDモデルの基本的な仕組みの説明から“グループ全体として見れば”逸脱している。いくらFXCM単体としてNDDが完結していても、子会社Effexも含めてみれば、常に客に対して自分の有利な結果しか生まれないように約定と拒否を操作しているのだから、それはNDDで否定する利益相反だという疑義は生まれる。ならば最初からNDD宣言などしなければよかったのだろうがアメリカはもうNDDじゃないとあかんということらしい。といようよりもう北米において個人投資家がFXをするという投資文化はなくなったのではないだろうか。たとえ北米においてFX事業会社があってもかれらのオペレーションのほとんどは、北米居住者であるヘッジファンドやコーポレートを相手にしたB2Bか、海外拠点(多くはEU、豪州)におけるリテールビジネスになってしまっているのではないだろうか。北米居住の個人投資家にとってFXは投資の対象から消えつつあるのではないだろうか。彼らにとっての資産運用市場は、なんてったってやっぱり株である。

NDDはまず考え方において、原則客の成行注文は業者のサヤ分を加味した注文価格に直して速やかにカバー先へ発注したまたまオーダールーティングで当たったカバー先が約定を返したら客にも約定を返し、拒否を返されたら客にも拒否を返す。しかしそれだと約定拒否が増えすぎるので(インターバンクのサービスはだいたいそんなもの。普段で3〜8%、荒れたときだと最大50%ぐらいは拒否されるのではないだろうか。)、モデルを少し調整して、拒否を返されたらそれで終わりにしないで3回までリトライを別のCPに行うというルーティングを中に入れる。これで指定された許容スリッページの範囲内で何とか約定を返そうとする努力をする。ただしその分客側はorder in processの時間が長くなる。常識的にこのリトライの時間は1秒以下を想定する。その程度なら“一連の動作”としてくくれるだろうと。一口に言うNDDモデルは、そんな流れでいろいろなオプション機能が付け加えられながら発展してきたと思う。

NDDは客の取引とカバー側の取引が一対一の関係で結び付きそうだが、それを優先すると、注文数量を最低でも10万ドルにする必要があったがそれが近年1万ドルでも受け付けられるようになってきた。カバー側が出すレートは普通小さくても10万か50万ドルベースなので、ヒットする側が1万ドルでやると49万ドルが無駄になる。よってオーダールーティングの効率は良くはない。
再三私がここで言っているようにNDDモデルは左様にシステムを作る側からすればとてつもなく面倒な代物であり、さらに最悪なのはその努力の分だけの個人投資家へのメリットすらもない。唯一メリットがあるのは単に業者が市場リスクを負わないという点だけである。利益相反かどうかは個人投資家にとっては第一番の重要事項ではない。そこを勘違いしてはいけない。透明公正な利益相反と隙あらばだましてやろうという利益相反を一緒にしてはいけない。

以上いつもの私のこだわり屁理屈を述べたが、本処罰がもつ意味として大事なのは、個人投資家が受けるサービスにおいてそれがどのようなルール、ロジックで生成され提供されているかをできる限り開示し、透明にしておくことは大事だということである。そしてそれがHP等々で説明されるその業者のルールやロジックと一致しているかということが外部からチェックできるような環境を整えておくことである。この辺も以前から私がここで主張している通りのことである。その対象となるサービスは、

業者が提示する取引レートの作り方と生成に使用するレートソース
原則固定X銭とする場合、その“原則”固定を外すときのルール/ロジック
外した後どれくらい広げるかについてのルール/ロジック
広げた後どういう条件が揃ったら元に戻すかについてのルール/ロジック

約定を判定するときの条件/ルール/ロジック
指値でない場合の約定価格を決定するルール/ロジック
スリッページを発生させるときのレート決定ロジック/ルール

強制ロスカットを発動するときの条件/ルール/ロジック
強制ロスカットによる約定価格の決定ルール/ロジック

取引レートの提供を停止するときの条件/ルール/ロジック

こういう情報を開示する場合、受手である顧客側にも期待したいことは、ルールやロジックをいくら正しく実装していても、そのときのサーバーの忙しさ、非機能要件にあたる条件が変わると想定通りの振る舞いをしないこともあることを許容し、そのうえで修正があればそれに応じてあげることである。何においても完璧はないし、求めすぎると不必要にコストが上がるので。

▼尾関高のFXダイアリーをご覧のみなさまへ
このFXダイアリーで取り上げて欲しい話題、また尾関さんに書いてもらいたいテーマなどあれば業界内外問いませんので、「件名:FXダイアリーへの要望」として info@forexpress.com までご連絡ください(コラムへの感想でも勿論結構です)。



Posted by 尾関高

プロフィール

尾関高

尾関高

1986年名古屋大学経済学部卒業。1988年サンダーバード経営大学院(アリゾナ州、米国)卒業。主に日短エクスコにて約9年間、インターバンクの通貨オプションブローカーを経験し、1998年からひまわり証券(旧ダイワフューチャーズ)にて日本で最初に外国為替証拠金取引をシステム開発から立ち上げ、さらに、2006年5月に、これも日本で最初にCFDを開始した。
その後米国FX業者でのニューヨーク駐在や、帰国後日本のシステム会社勤務等をへて、現在は、日本の金融システム会社勤務。そのかたわら、本業のみならず、FXや新たな金融市場にかかわるさまざまな分野においても積極的に意見具申中。
拙著に、「マージンFX」(同友館、2001年2月)と「入門外国為替証拠金取引〜取引の仕組みからトラブル防止まで〜」(同友館、2004年6月)、また訳書「CFD完全ガイド」(同友館、2010年2月、著者:デイビッドノーマン)がある。

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