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向坊洋之

「投資のダイナミズムに魅せられて」 ―向坊洋之 氏 [後編]

2011年07月27日(水)

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(中編はこちら)

■中国の真の姿を捉えるには

 現在、中国でお金を借りようと思ったら、中国の金利が上昇してきているので、いろいろなフィーや保証金を入れると10%程度かかってしまう。それでも経済成長が望めて、正しいビジネスをやっているのであれば、それこそ2桁のリターンが生み出せる。少なくとも30%から35%ぐらいのリターンはあるビジネスが存在する。そこに株 のみならず、メザニン投資をするチャンスも多くなって来ている。メザニンでは仮にプロジェクトがポシャったとしても、担保がしっかりしているのであれば、それをテイクオーバーすればいい。当グループの現地での政府や中国パートナーとの関係や交渉能力がものを言う。

重慶市長が、中国はEUに似ているが、長い歴史の中で常に一国を維持してきたという発言をしていた。すなわち通貨がひとつ。通貨・金融政策はひとつ。一方民族はバラバラ、(国)はバラバラだ。相違点は、中国の場合は、財政政策がひとつで、中央政府が金融、人的資源の配分を決めているということだ。(資本主義の過度の投資がバブル発生させ、いずれ崩壊するのが常である。)政治もひとつで安定している。

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一方、まったく同じぐらいの数の省(国)があるのだが、中国の経済指標は1個しか出てこない。しかも過小評価の可能性も高い。中国の沿岸部で起きているバブル的なものと、内陸部で起きている経済的な集中資源配分による発展が共存する。例えば、ある地域では、融資の総量規制的なことをやっているけれども、他の地域ではいまだに貸し出しているようなことが同時に起きている。こういった2つの事象をひとつの数字に混ぜてしまっているから、あまり1個の数字で中国全体が沈滞しているとか、バブルが崩壊するとか単純に言えないところがあると思う。

中国の賢明な部分は、様々な問題があるにしても、とにかく政治的に一応安定しているということだ。省自体のローカル政策を各々の省で決めているが、あくまで国の政策(共産党との2重構造)の下部構造となっている。マクロ的な政策と地域的な政策というのが、同時に並行して動いていて、今のところ賢いと言われる人間がそれをコントロールしているのでまとまっているとも言える。

だから、我々は、ひとつの経済指標だけで一喜一憂するのではなくて、中国国内でどの場所でどのような政策を進めているのかも含めて考えないと、真の姿が見えてこない。資本主義では、儲かると思ったら、その場所にすべての資源が集中する。それで、異様なバブルを引き起こす。中国の場合は、いろいろな障壁があるのでバブルを起こすこの急激さが少ない、と私は考えている。

■信頼とチームワーク

GSでの仕事はやりがいがあり、本当に楽しかった。優秀なだけでなく、人間的に素晴らしい人も数多くいた。会社はもともと老舗で、本当に人間を大事にし、終身雇用的に人を育てる土壌だったのが、どこかの時点で儲かったが勝ちというインベストメントバンクに変貌してしまった。

上層部の人が、「どうしようもない最低なやつがいて、人間的には最高のやつがいて、人間的に最低のやつがお金を稼ぐのであれば、”太った豚”にはもっと食わせろ。太った豚はもっと食べるからどんどん食わせてもっと太らせればいい」と僕に言ったことを今でもよく覚えている。

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会社として、どちらの人間を取るかといったら、太った豚を取る。それを大事にしろという意味のことだった。だが、僕はその考え方にはいまだに同調できない。自分はどちらかというと浪花節っぽいタイプの人間であるし、いったん決めたら、気に入らない人とは、二度と話さない性格をしている。逆に信頼できる部下、仲間、パートナーとは一生付き合う気でいる。

これまでに色々な人との付き合いがあった中で、ひとつ言えるのは、自分が尊敬や信用ができない人間は、自分の人生から切り捨て、完全に忘れるようにしていたことだ。というのは、その人とガチャガチャと政治闘争などやったとしても時間の無駄になるだけだし、自分もその相手と同じく、信用できない人間に落ちていくからだ。自分の脳裏から消し去ってしまわないと、次のステップに進めない。

当然ながら、自分の周囲には、信頼できる人間を置いている。その人たちを、徹底的に信じるし、仕事も思う存分にやってもらうようにする。そして、公私問わずに面倒をみる。このことは、当然ある程度人間の選別をしていかないとできない。アクティスは元GSの連中が多く、彼らはCEOとの強い信頼の絆で集まった人間たちであり、私のグループもその中に存在し機能する。

当グループの資本力、ビジネスセンスをできる限り、サポートしながら、自分で正しいと思ったことをやっていく、やらせてもらっている。それがグローバルマクロであろうが、重慶のビジネスであろうが、自分が正しいと思った方向で進めている。部下にどんどんやってもらうために、僕がすることに関してはチーム全員が関与するようにしている。

■世界観でビジネスをする醍醐味

 自分を突き進めるもの、それは自分なりの世界観を持ってビジネスをするおもしろさだと思う。世界で起きていることはとてもダイナミックだ。リーマンショックのときに、異常に膨らんだ流動性が縮小して、それが足りないから各国政府が皆、一生懸命になって輸血したが、何のことはない、先進国は財政的に厳しい状況に陥ってしまっている。一方で新興国市場が急激に伸びてきて、コモディティ市場は急騰したりした。こういった世界的な変化の中で、自分なりの世界観を持ってビジネスを推進できるのは楽しい、の一言に尽きる。

香港や中国に自分の身を置いてみると、日本への憂いが強くなる。日本は失われた20年ずっと経済が停滞していて、どこよりもどんどん後ろ向きになってしまっている。このことに対して、日本人は心の底からの危機感は抱いていないのかもしれない。日本の中にいて、仕事をしていれば、給料は高い。ただし、それは、明らかにもう質が伴っていない、いわばオーバーバリューされている高さなので恐ろしいと思う。

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若い人たちはそれに気付かないでいる。そして、将来的に日本人の質がどんどん落ちていって、国力的にも非常に問題が生じてしまう可能性がある。一方で、中国人は教育水準が高ければ金が稼げるという死活問題があり、貪欲さがある。正直、重慶の若者は十分に優秀であり、一生懸命である。

日本の若い人たちはもっと視野を広げていかないと、もう世界で通用しない。日本の中にいるのは井の中の蛙だ。パソコンの前でパチパチやっているだけでは世界は見えない。海外に出て見識を深める。もう待ったなしの状態ではないかと思う。日本での生活は心地よいから、海外の憧れはもうない。だからこれから、日本が衰退してしまう恐れがある。

為替やオプションの仕事を通じて、色々な人に出会い、転換期というものが来て、ヘッジファンドのビジネスに結びつき、そして今何かの縁で、中国でキャッシュフローのビジネスを進めている。人生は、人の縁によってつくられていると思う。僕の場合だったら、現在のボスに出会ったことが大きな縁だ。彼も僕も50代なので、あと残り10年から15年の間に、もうひとふんばりやろうという気概を持っているし、チームおよびグループ全体も一丸となって取り組んでいる。

プロジェクトに投資する資力が会社にあり、今度、ファンドをつくることで、グループの投資力が高まる。既に人的なネットワークを3〜4年かけて中国の地方で築き上げてきているわけだから、それをベースにやっていく。重慶の人は外国に行ったことがない。彼らに海外のいいものを紹介し、教育し、機会を与え育てる共存共栄のプロセスの積み重ねが投資のダイナミズムに結び付いていくのではないか。この中でプロジェクトのダイナミズムをもっと味わってみたいと思っている。

(全編終了)

*2011年06月06日の取材に基づいて記事を構成
 (取材/文:香澄ケイト)

【前編】通貨オプションの全盛期を経て
【中編】グローバルファンドからマルチストラテジーファンドへ
【後編】自分の世界観でビジネスがおもしろい

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